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子会社の業務方針につき,親会社で事前の取締役会決議を経ることの適否

企業法務一般、顧問契約

子会社の業務方針について,親会社で事前に取締役会決議を経ることは適切な取り扱いでしょうか。

1 グループ関係に関する会社法の規律

会社法の規整は個々の株式会社ごとに定められており,グループ関係,親子会社関係を規律するまとまった制度は存在せず,様々な箇所に置かれるにとどまります。

例えば,グループ関係創設の面においては,株式交換・移転,会社分割等の規定が設けられ,会社の計算の面においても連結計算制度が導入されました。

また,企業集団に係る内部統制システムの整備について一定の会社に取締役会決議が求められ,親会社の株主としての権限については,子会社取締役等に対する違法行為差止請求権や各種無効の訴え提起権,あるいは帳簿閲覧権等の各種調査権が定められています。親会社の監査役又は監査委員,会計監査人は,子会社調査権を有しています。

しかし,親会社による子会社の運営・管理という面に関する規定は上記にとどまり,親会社取締役に子会社に対する指揮命令権や指図権は定められていませんので,親会社の経営方針を実現するには,株式保有を背景とした間接的な方法,あるいは事実上の支配力の行使により行うという建付けになっています。

他社の取締役会運営を参考にしつつ,御社の経営方針として,親会社が子会社の運営にどの程度関与するのが適切かという観点で付議事項を検討されることになると考えます。

 

2 各社の実態について

取締役会の運営実態については,商事法務が定期的に上場会社へのアンケート調査を行っています。

本件に関係するところでは,「子会社の運営・経営方針・人事」について「重要な業務執行として取締役会の決議を要するもの」(会社法上の義務として取締役会決議が必要)としている会社が3割程度存在します。 また,「子会社の業務運営への関与」についても3割程度が親会社の取締役会決議を要するとしています。

 

3 上記2のように,子会社の運営・経営方針・人事について,会社法上の義務として取締役会決議を要求している会社もあります。

また,会社法上の義務としてではなくとも,親会社による子会社の業務運営への関与については,「株主としての議決権の行使」が要求される項目に限らず,取締役会決議や親会社の承認,事前・事後報告など様々に各社が工夫しているところです。

その際は,適正かつ効率的な業務執行及び適切な監査・監督機能を実現するために,重要性がどの程度あるか,迅速な意思決定がどの程度求められるかといった観点から取締役会決議を求めるか判断することになろうかと考えます。

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