当事務所では、高齢者等の判断能力が低下した方の支援として、成年後見・財産管理などに力を入れて取り組んでいます。当事務所は、平成12年の法改正以降、10数件以上の案件で成年後見人として裁判所から選任された実績を有しており、その強みを発揮しています。
高齢化社会を迎え、当事務所では、高齢者の方の成年後見・財産管理に積極的に取り組んでいます。(高齢者のほか、未成年者で適切な保護者がいない方、精神疾患や知的障害などにより財産管理や契約上の意思決定が困難な方に関しても対象になります。)
既に判断能力が十分でない成人の方については、財産管理などのために家庭裁判所に申し立てる法定後見の手続があります。判断能力の程度に応じて、判断能力の低下が大きい方から、①後見→②保佐→③補助の手続を利用することができます。
将来の判断能力の低下に備えて依頼をしたいという場合は、判断能力低下後の財産管理に関して任意後見契約があります。加えて、判断能力の十分な時点から財産管理を委託する場合には、弁護士との財産管理委任契約があります。
この他、これらの契約に付随して亡くなった後の医療費や家賃の精算、賃貸物件の明渡し、火葬・埋葬等の諸手続について委任をする死後事務委任契約や、これらを含め主に財産の問題などの法的な問題全般について継続的にご相談に乗るホームロイヤー契約などを弁護士と締結する方法もあります。
平成12年の法改正以降、当事務所で家庭裁判所から成年後見人等に選任された案件(成年後見人・成年後見監督人)は10数件以上あり、おそらく、札幌はもちろん全国的にも有数の案件を受任しているものと思います。
かように多数の事例を受任する中、ご本人及びその周囲の方のそれぞれのお立場に十分配慮しながらも、ご本人の幸せがどこにあるのか、よく考えながら諸々の手続を進めています。
特に、当事務所は、弁護士事務所という紛争を多く取り扱う事務所ですので、ご本人をめぐる紛争(ご本人が遺産分割の相続人のお一人である場合や判断能力のないことに乗じられて他人に財産を取られてしまった場合の取り戻し)などに、その強みを発揮しています。
このような方はお電話のうえ来所相談をご予約ください。
来所相談の際には、ご相談者から詳しくお話しをお伺いし、今後どのような展開が予想されるかなどについての見通し、また、諸費用について、お話しします。
ご不明の点があれば何度でもお話ししますので、ご遠慮なくご質問ください。
※弁護士費用はいずれも消費税込です。実費は別途必要となります。
既に判断能力が低下した方の財産管理がご心配な方
ご家族やご自身の判断能力が衰えてしまい、財産管理に心配がある方については、
成年後見制度を利用するとよいでしょう。
- 成年後見人・保佐人・補助人の選任申立 (以下では、まとめて「成年後見人」と記載しますが、保佐人・補助人の場合も大きく異なるところはありません。詳しくはご相談ください。)
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1. ご相談の場合、成年後見人といって、裁判所が選任した方が財産管理をすることが適当です。公平中立の立場にある成年後見人による財産管理をしていれば、他の親族の方などと財産の管理に関してトラブルになる可能性が低くなるということがいえます。
2. そこで成年後見人を選任してもらうよう、裁判所に申し立てます。申し立てに際し、印紙郵券その他の費用として1万円前後が必要になります。
申立書作成提出及び家庭裁判所との対応を弁護士に依頼する場合には、11万~22万円(消費税込。多くの場合は11万円)の費用が必要になります。
3. 成年後見人選任申し立てに際しては、寝たきりで完全に意識がない場合などには医師の診断書で足りますが、そうでない場合には、ご本人の判断能力を確認するため、医師の鑑定書が必要になります。補助の申し立ての場合は反対に原則鑑定までは不要とされています。
鑑定書を作成する医師は、多くは主治医です。裁判所の書式があり、それに基づいて作成していただくことになります。費用は多くの場合、約6万円程度です。
4. 申立の後、例えば、成年後見人申し立てのケースでは、寝たきりで完全に意識がない場合などには1~2週間で、そうでない場合には、医師が鑑定書を作成提出後おおむね1か月程度で成年後見人選任の決定が出ます。
5. 家庭裁判所は、周囲の家族の方などを成年後見人として選任する場合もあり申し立ての際には適任な方を候補者として推薦することができますが、遺産相続問題が絡んでくるなど、周囲の親族の方との間で利害関係が錯綜する場合には、候補者が他にいる場合でも、弁護士など利害関係のない第三者を選任することがあります。
6. 選任された成年後見人は裁判所の監督下におかれ、ご本人の利益のために行動する義務を負担し、ご本人の財産管理の状況について裁判所に対し、報告する義務があります。これによりご本人の利益を守ることができます。
自分や家族が将来、判断能力がなくなってしまったときの財産を適切に管理したいとお考えの方
自分や家族が将来、判断能力がなくなってしまったときの財産を適切に管理したいと考えている場合、
任意後見制度を利用するとよいでしょう。
(1) 任意後見制度とは
任意後見制度とは、ご本人に十分な判断能力がある間に、将来判断能力が不十分になったときのご本人の財産管理等の内容と後見する人(「任意後見人」といいます)を、ご本人において事前に、契約によって決めておく制度です。
(2) 任意後見制度の利用方法
1. 信頼できる人(家族、友人、弁護士、司法書士などの専門家)と任意後見契約を取り交わします。公証人役場で公正証書を作成する方式によります。公証人役場に支払う費用はおおむね2万円程度です。当事務所に手続一式を依頼された場合、プラス3万3千~11万円程度の費用がかかります。
任意後見契約においては任意後見人を誰にするか、どのような後見事務を委任するか、自由に決めることができます。
2. 判断能力が不十分になったと思うときに、ご本人あるいは周囲の家族の方、任意後見人予定者の方が家庭裁判所に申し立てをして任意後見監督人の選任をしてもらいます。任意後見監督人が選任された時点で任意後見人が本人のために行動することができます。
3. 家庭裁判所が選任した任意後見監督人が、任意後見人が本人のために、きちんと仕事をしているか確認します。これによりご本人の利益を守ることができます。
当事務所の弁護士が任意後見人となった場合、財産管理の月額報酬として少なくとも3万円の費用がかかります。また、被後見人をめぐる紛争を解決した場合には別途費用を要します。具体的には弁護士にお尋ねください。
その他の高齢者の方や財産管理に関わるご契約
(1) ホームロイヤー契約
月額1万1千円~(税理士との契約は別)
個人向け顧問契約になります。弁護士が、高齢者や障害者、ご病気の方の日常生活上の法的な課題(財産管理、相続対策、取引上の意思決定・トラブルなど)に関しては、継続的にご相談に応じます。
ホームロイヤー契約を締結しているお客様は無料で電話・面談などの方法により法律相談を受けることができます(ただし、業務の都合上、ご希望の日時に添えない場合や回数制・時間制となる場合がございます)。
(2) 財産管理委任契約
判断能力が低下する前に、親族の一人や弁護士など特定の人に財産の管理をまかせる契約です。
契約の中で、管理をまかせる財産の種類を決めたり、管理の際の約束事を定めたりすることができます。既に親族に管理をしてもらっている場合に、それを法律的にきちんとしておくために契約書を作るということも可能です。
契約書の作成 5万5千円~(非定型的なものや公正証書にする場合は11万円~)
弁護士を財産管理人にする場合 月額3万3千円~
(3) 死後事務委任契約
家族や弁護士など特定の人に対し、あなたが亡くなった際の役所等への諸手続、親族等関係者への連絡、葬儀・納骨、住んでいた賃借建物・電気・水道・電話・新聞などの解約、家財道具や生活用品の処分、医療費などの債務の支払いなど、必要となる様々な手続についてお願いをするものです。
契約書の作成 5万5千円~(非定型的なものや公正証書にする場合は11万円~)
死後の諸手続 弁護士を受任者にする場合 別途ご相談