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コンプライアンス違反行為の外部通報窓口として弁護士を選任する際の留意点

企業法務一般、顧問契約

当社は,東証プレミアム市場に上場している株式会社です。コンプライアンス違反行為の外部通報窓口として,従前顧問弁護士を窓口としていましたが,この窓口には会社に利害関係のない第三者的弁護士を選任すべきであって,顧問弁護士を窓口とすべきではないという意見もあります。当社としては,不用意に外部に機密が漏洩することなど様々な懸念があり,会社に利害関係のない第三者的弁護士を選任するのは心配もあります。この点どのように考えたら良いのでしょうか。制度設計と合わせて説明してください。

1 外部通報(相談)窓口として,顧問弁護士を選任するか,顧問弁護士以外の外部の弁護士を選任するかについては,どちらの見解も成り立つところであり,また,どちらの実例も相当数あるところです。

2 顧問弁護士を選任することにより,内部の事情に精通していることから適切かつ迅速な対応が期待できることが考えられます。
他方で,消費者庁のガイドラインにより,外部通報の受付・相談・調査等に関しては,中立性・公正性に欠け,あるいは利益相反になるおそれのある法律事務所等の機関の利用は避けるべきであるという趣旨の記載があります。顧問弁護士の選任が一律に禁止される趣旨ではないと考えられますが,顧問弁護士を選任する場合は,これらの事情に留意する必要があります。具体的には,弁護士が通報者や相談者の代理人・アドバイザーの立場に立つものではなく,当事者間の仲裁機能を果たすものでもないことなどについて,誤解を生じないための周知や工夫を要します。

3 また,制度設計としては,弁護士が受付や事案整理,回答内容の交付程度のみを行う場合と,事実調査,法律調査,法的判断など詳細までを担当する場合とが考えられます。
この点,統一的な見解はないと思われるものの,前者については,通報者・相談者の一般的な弁護士への期待と齟齬が生じる可能性がありますので,制度内容の周知において誤解のないよう進めていただくことが重要と考えます。この場合においても,外部の窓口となることによって,通報者の匿名性を維持することができることや,弁護士による円滑な事案整理が可能となるなどの利点はあるものと考えます。
後者については,外部の第三者的弁護士でなく顧問弁護士に依頼をする場合には,中立性・公正性を保った対応が求められる点や利益相反に注意すべき点などが考慮すべきこととして挙げられます。

4 なお,外部の弁護士であっても,守秘義務を負うことは当然の前提となり,契約上もそのような取り決めを行うことが妥当と考えます。

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