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企業法務Q&A例 企業法務Q&A例

企業法務Q&A例

複数の取引契約があるなか,一部の取引について支払が一時停止した場合の対応について

企業法務一般、顧問契約

1 当社では,諸部門において,商品A・商品B・商品C並びに商品Dなど様々な種類の商品を販売しています。
お客様の支払が滞れば継続的な販売はできず,一時停止することになりますが,商品ごとに取扱部門が異なり,別個の契約を取り交わしていることから,一つの商品取引契約ではなく,複数の商品取引契約がある場合について疑問があります。
例えば,商品A・商品Bの取引をしているお客さまが商品Aにあたる金額を全額入金し,商品Bについて未入金の場合,入金済の商品Aについて販売停止の措置が取れるでしょうか。当社としては,商品B代金を含めた全額の入金がない限り,当該顧客との継続取引は,商品Aを含めたすべての商品において控えたいところです。

2 過去の債権を残したまま,新たに当社が商品を販売するお客さまへの過去分の請求について
新たに当社が商品を販売するお客さまのうち,当社が過去に販売した商品の代金が未清算のお客さまがたまにいらっしゃいます。
そのような時は,以前の売掛を精算する,または高額で精算できない場合は分割約定を取得しないとあらたな取引に応じない(商品販売しない)という社内ルールを設けていますが,法律上問題ないか心配です。精算いただかないところで新たな債権が発生するリスクを負うことは避けたいのです。

1 商品Aの販売契約と商品Bの販売契約は別個の契約であるため,商品A代にあたる金額について全額の入金がある以上,商品Aの販売契約に関する債務不履行はないということになり,契約書に別段の記載(例えば,「当社の他の契約について債務不履行がある場合等,お客様の信用状態が著しく悪化していると認められる場合には,販売を停止することができる。」等の記載)がない限り,商品Aについて販売を停止することができません。
上記のような措置をとるためには,今後契約書改訂時に上記のような条項をいれることが望ましいと考えます。

2 法律上,水道などに関しては,正当な理由がなければ,その販売を拒んではならないとされていますが,こうした特殊な規定がないかぎり,商品を販売するかどうかは各人の自由であり,会社の判断により商品販売を拒否できるのが原則です。
例えば,代金を支払わずに契約を解除された者が,滞納代金を支払わずに新たな契約の締結を申し込むような場合には,新たな契約締結を拒否することも許されると考えられます。
しかし,例えば,商品Aがないと顧客の生命身体が維持できないなど特殊な場合には,代金未精算の顧客であっても,その未精算の金額や悪質性などを踏まえ,個別に検討せざるを得ない場合もあり得ます。

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