全く面識のない被相続人の相続について,相続人との間で交渉し相続分譲渡をする対価として法定相続分相当の支払いを受け,遺産分割協議に参加せずに解決した事例
2026.01.28
事案概要
- 依頼者のもとに,税理士法人の職員から「●●様が亡くなられたので,その相続人の一人から依頼を受け連絡しています。相続人調査や遺産分割協議書の作成,不動産の登記等一括して対応するので契約書にサインしてください。」という連絡書の送付があった。その被相続人は,依頼者からすると曽祖父の後妻の子であり,依頼者とは全く面識がなかった。連絡書によると,相続人は15人いるとのことで,全員から同意を取り付けている最中とのことであった。依頼者から当該職員に対して,被相続人にはどのくらいの財産があるのか,借金はあるのか,相続人の中に相続放棄をした者はいるのか等の質問をしたものの,契約してからでなければ答えられないとの回答であった。
また,契約書を確認したところ,手続的なことは対応してもらえるものの,遺産分割自体は相続人自身で行わなければならないとの記載もあった。
依頼者としては,全く知らない親族と遺産分割協議のやり取りをすることや,財産状況もわからないままに契約書にサインすることについて抵抗があったこと,遠い親戚であり相続人も15人いるため想定される法定相続分も少ないこと等からどのように対応すればよいかわからず当事務所へと対応全般を依頼した。
解決結果
受任後,まずは,遺産分割協議の前提として税理士法人に依頼した相続人へと直接連絡をとり,財産状況について確認した。そうしたところ,相続財産は預金に加え不動産があることが判明した。そうなると,不動産を誰かが取得するにせよ,売却して換価するにせよ,時間がかかることが予想された。そのことに加え,相続人が多く遺産分割協議のやり取りにも時間がかかることが予想されたことから,自身の法定相続分を税理士法人へと依頼した相続人へと譲渡し,その対価として相続財産を金銭評価した上で法定相続分相当額を譲り受けることによって,遺産分割協議に参加することなく法定相続分相当額を取得し,早期に解決することができた。
