被相続人が亡くなってから10ヶ月後の相続放棄の申述が受理された事案
2025.07.23
事案概要
- 依頼者は,父を亡くし葬儀等も行われたが,父にはこれといった財産はないものと認識していた。ところが父が亡くなってから10ヶ月後に市税事務所から固定資産税について未納である旨の通知が届いたことから不動産を有していることが発覚した。父は個人の事業を行うため,借地上に建物を所有していたことがあったが,30年ほど前に廃業したことから,その時点で建物も解体し,借地は返還したものだと認識していた。しかし,実際には当該建物がいまだ存在していた。
インターネットで調べたところ,相続放棄の申述期間が3ヶ月間だと知り,相続放棄はできないものかと相談のため,来所されるに至った。
解決結果
相続放棄は「相続があったことを知ったときから」3ヶ月(民法915条1項)であるが,判例上「被相続人に相続財産が全く存在しないと信ずるにつき相当な理由があると認められるとき」(最判昭和59年4月27日民集38・6・698)には,財産があることを認識したときから起算することになっていることから,本件についても市税事務所からの通知書を受領したときに初めて被相続人が不動産を所有していることを認識したものとして,その旨裁判所に説明する補足の文書を作成し申立てをしたところ,相続放棄の申述が受理された。
