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経営指導念書の意味

企業法務一般、顧問契約

当社の関連会社へ金融機関からの融資手続を進めていますが,金融機関から,融資に当社の連帯保証を差し入れないのであれば,その代わりに,後記文面にて,添付念書を提出してほしいといわれています。どのように対応するのがよいでしょうか。
文案
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●●●●金庫御中
 経営指導念書
 当社株式会社A(以下:「甲」という。)は,株式会社B(以下:「乙」という。)の経営が
 安定し成長していくよう指導に努め,必要な支援を行ってまいります。
 万が一,乙の経営に重大な事象が生じた場合は,甲より十分な支援を行ってまいります。
 御庫と乙との取引につきましては,実質的に御庫と甲との取引と同一視しており,
 甲は乙に対して御庫になんらのご迷惑・ご損害をかけぬよう経営指導を徹底してまいります。
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経営指導念書については,様々な裁判例が出されていますが,その多くが,その内容が抽象的であることなどから,連帯保証等の法的効力を認めていません。
記載の経営指導念書についても,「支援を行う」や「ご迷惑・ご損害をかけぬよう経営指導を徹底してまいります」など,内容が抽象的であり,具体的義務等は定められておらず,あくまでも道義的なものにすぎませんので,この文書によって,連帯保証等の法的効力が生じることはないものと考えます。
一方で,同念書を差し入れれば,万が一関連会社に経営不安などが生じた際に,融資をしている金融機関から,同念書を根拠として,様々な要求がなされるなどのトラブルが生じる可能性があります。

したがって,念書を差し入れなくていいのであれば,それが最も望ましいです。
差し入れる必要がある場合でも,後段の段落「貴社になんらのご迷惑・ご損害をかけぬよう経営指導を徹底してまいります。」については,同文言を根拠に法的効力とは別に,様々な要求が金融機関からされることも考えられることから,削除してもらいたいところです。

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