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通勤費の不適切な取り扱い

人事労務問題

従業員の中に,バス通勤をするとの申請をしてその区間の交通費を受領しながら,実際には交通機関を利用せず,徒歩などにより通勤している者がおり,就業規則に違反しています。3年間にわたり合計額は36万円となっています。どのような対処ができますか。特に懲戒処分の可否や程度についてどう考えたらよいでしょうか。

その従業員の行為は,就業規則違反であり,不当利得にあたりますので,利得した金額の返還を求めることができるとともに,懲戒処分の対象になりえます。
懲戒解雇の有効性について争われた裁判例を参考にすると,どの程度の懲戒処分を行うか,及びその有効性を考えるにあたっては,不正受給の期間,使用者に生じた被害金額,行為態様(住所や経路の虚偽申告や虚偽の住民票の提出などは悪質な態様と解されています。)などから総合して判断するべきであるといえます。
具体的には,本件では,住所や経路自体の偽りはなく,被害金額も多額とまではいえないことから,懲戒解雇や諭旨解雇(退職)など従業員としての身分の喪失につながる処分については無効となる可能性が高いと考えられ,それを下回る懲戒処分が望ましいものと考えます。
なお,被害金額の返還を求めるにあたって,賃金から差し引くことを考える場合には,賃金全額払いの原則(労基法24条1項)に照らし,従業員の同意が必要となりますので,ご注意ください。

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