北海道札幌市の総合法律事務所

桶谷法律事務所

011-281-2226

【通常のお問い合わせ】011-281-2226

24時間365日受付・初回相談無料まずはお気軽にご連絡ください

企業法務Q&A例 企業法務Q&A例

企業法務Q&A例

休憩時間一斉付与の適用範囲

人事労務問題

当社は多数の小売販売店をテナントに持つビル賃貸会社です。
当社施設が10時から23時まで営業している関係で,当社においては,営業部や施設管理部を含めて早番・遅番体制をとり,「早番2名が休憩時間を早めにとり,昼休みに勤務する体制をとる」という措置をとっております。
しかしながら,上記体制は,休憩時間一斉付与の原則(労働基準法第34条第2項本文)に反するため,①労使協定を締結するか(労基法第34条第2項但書),②労基法第40条及び労働基準法施行規則第31条の特例に該当するといえなければなりません。
当社としては,後者にあたると主張したいのですが,そのような立論は可能でしょうか。

特に,当社の事業が,特例が適用される,別表第一の第8号の「物品の販売,配給,保管若しくは賃貸又は理容の事業」に該当するという立論はできるでしょうか。
当社は,一部の食品の販売を直営で行っているほか,一部のカフェ及びショップの運営を外部に業務委託しているため,これらは「物品の販売~の事業」に該当すると思います。
もっとも,上記事業は,社内の一部の部署が担当しているにとどまり,事業全体に占める割合はごくわずかです。当社のメイン事業は,あくまで不動産賃貸業となります。
当社はテナントに建物を貸して終わりではなく,ショップと様々な関わり合いを持っているので,「物品の販売」に関する「事業」を営んでいるというように,広く解することはできないでしょうか。

休憩時間一斉付与の原則は,疲労回復,作業能率増進という休憩の効果をあげるために定められた原則です。
もっとも,労基法40条記載のとおり,一斉付与の原則を適用したのでは公衆の不便を生じる事業については,例外的に,労使協定を締結しなくてもよいものとされています。この,「公衆の不便を生じる事業」がどのような事業を指すのかについては,労働基準法施行規則第31条に規定されており,貴社が指摘されている,「物品の販売,配給,保管若しくは賃貸又は理容の事業」がそのひとつです。

そして,貴社の事業が,休憩時間一斉付与の原則の適用を免れる,「物品の販売,配給,保管若しくは賃貸又は利用の事業」(労働基準法施行規則第31条,別表第一第8号)とに当たるかという点についてですが,「物品の販売,配給,保管若しくは賃貸又は利用の事業」とは,現に主として物品の販売等を行っている事業を指すものと考えられ,貴社のように,現に行っている物品販売の事業がごくわずかである場合には,これに該当しないものと考えます。
例えショップと様々な関わりがあっても,「物品の販売」というには距離があるものと考えます。
さらに,貴社のように,テナントにビルを賃貸し,ショップと関わり合いを持っているというのみでは,貴社の事業が,一斉付与の原則を適用したのでは公衆の不便を生じる事業であるとはいうことはできず,「物品の賃貸の事業」に該当すると考えることも困難であると考えます。
以上からすれば,貴社が,労基法40条,労働基準法施行規則31条の特例に該当するという立論は困難であると考えます。

よって,貴社において,早番2名が休憩時間を早めにとり,昼休みに勤務するという体制をとる場合には,労使協定を締結した上で,就業規則に,一斉付与の適用除外の規定を定めておくのが無難です。

記事一覧

Copyright (c)2013 桶谷法律事務所 All rights reserved.